まちえんの活動記録

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09 7月7日 第4回まちえん学校「歴史まちづくりシリーズ・第1弾」

 NPO法人小田原まちづくり応援団主催「第4回まちえん学校」は、今話題の「歴史まちづくり」に焦点をあて、3回シリーズで開催しています。その1回目は、小田原市役所内でも検討がはじまった「歴史まちづくり法を学ぶ」です。同法の直接担当課である「国土交通省公園緑地・景観課 景観・歴史文化環境整備室 課長補佐 脇坂隆一さんと古都・歴史文化係長 曽根 直幸さん」を講師にお招きして、時代背景とその目的、どんなことが出来る法律なのか、どんな補助があるのかなど、市民として直接聞いてみました。
(以下、文責まちえん、講師による内容確認は受けていません)

(1)歴史まちづくり法とは?
歴史まちづくり法とは、街に埋もれた「本物の歴史ストーリー」を価値あるものとして再評価し、今の時代に合わせた事業として組立て直すことで、これからの「まちづくり」に「本物の歴史ストーリー」を活用しやすいよう策定した法律。
「本物の歴史ストーリー」こそ、後世に継承されるべき「まちの宝物」であり、今までの法律(景観法や古都保存法など)では、守りにくかった「歴史的景観の骨格」をまちづくり事業として、拾い上げることができるようにした画期的なもの。
ただし、宝物の中に最低ひとつ「国指定文化財」を含むことが必要で、小田原の街では、小田原城址がそれにあたる。

(2)歴史的風致とは?
「本物の歴史ストーリー」を拾い上げるためには、次の前提条件を満たす必要がある。この前提条件を満たす「本物の歴史ストーリー」を「歴史的風致」といい、申請時には、国(国交省+農水省+文科省)による厳正なる「本物度チェック」が、次のような「本物の歴史ストーリー」を創作することによって実施される。
①継続して行われている歴史と伝統を反映した営み・生活・活動」(=ソフト)が、現在、行われているか
②上記①の活動が築50年以上の歴史的価値の高い建造物(=ハード)で行われているか
③上記①の活動と②の建造物の両輪があいまって良好な市街地の環境を形成しているか
【現在、歴史や伝統を反映した〇〇〇活動が、歴史的価値の高い〇〇〇建造物であいまって、〇〇〇のような良好な市街地の環境を形成していることをストーリーとしてまとめる。このストーリーを読んだ人が「良好な市街地の環境」と感じられる場合、歴史的風致と位置付けることができるとのこと。】

◆前提条件を満たす例
・歴史的酒蔵での伝統技術による酒づくり
・浅野川での友禅流し(金沢市)
・歴史的織工場での伝統技術による機織り
・歴史的山車での伝承する祭り囃子の演奏(高山市)
・歴史的登り窯での伝統技術による焼物の製作(萩市)
◆前提条件を満たさない例
・明治村にある歴史的建物での観光客向けイベント(ソフトが昔とは異なる目的で行われている)
・古民家での芸能活動フェア(ソフトとハードに歴史的な関連性がない)
・小田原城での北條五大祭り(ソフトが歴史や伝統を反映していない擬似的な活動が行われている)
・小田原出身の偉人、文学、学問(ハードが残っていない)

(3)歴史的風致維持向上計画とは?
歴史的風致維持向上計画とは、「本物の歴史ストーリー」である歴史的風致を中心に、重点的に投資する区域、ハードの活用方針やソフトの担い手、事業実施期間などをまとめた事業計画書のこと。

(4)計画の認定を受けると、どのようなメリットがあるのか?
①「本物の歴史ストーリー」である歴史的風致を支えるハードを維持するためには、法律の特例措置も可能となる。
②「本物の歴史ストーリー」である歴史的風致を支える各種の支援事業に対して、補助金や助成金が優先的に受けられる。

(5) 計画の認定申請に必要なものは何か?
申請には「本物の歴史ストーリー」、つまりハードとそれを支えるソフトの両輪があいまって市街地を作っていることを検証可能とする次のような資料が概ね必要である。
①ハードに歴史的価値があることを検証可能とする資料。
・まちの形成史、文化財の分布、歴史的建造物のリストを整理した資料など。
②ハードで、その目的に合致しているソフトが実施されていることを検証可能とする資料。
・「ハードの目的と歴史的使途」と「現在の使用状況」を整理した資料など。
③ハードで、歴史と伝統を反映したソフトが維持されていることを検証可能とする資料。
・人々の営み・生活・活動の記録を整理した資料など。

 以上のように、歴史まちづくり法の施行は、教育部門にある文化財課が管轄している歴史的価値の高い建築物や構造物を、都市部門にある景観まちづくり課との横断的協働によって、「本物の歴史ストーリー」を「歴史的景観の骨格」として拾い上げることを可能とする画期的な法律といえるようです。ただし、「本物の歴史ストーリー」という「魂」をないがしろにすれば、その魅力が半減してしまうため、計画書の厳しいチェックが行われるようです。

私も、小田原で思い当たるものをいくつか並べてみました。
・「ういろう口上」が「ういろう蔵」などで行われている「旧東海道周辺」
・「魚関係業」が「かまぼこ店」や「干物店」で営まれている「かまぼこ通り周辺」
・「花街文化」が「料亭」で営まれている「宮小路周辺」
・「小田原漆器や寄木細工」が「木地引き工房」で営まれている「早川周辺」
・「農関係業」や「大工関係業」が「出し桁の商家」など営まれている「旧甲州道周辺」
・「伝統的祭事」が「小田原城址」で営まれている「お堀端周辺」
・「職人文化」が「別邸」や「石材店」で息づく「板橋周辺」
・「日本で初めて早川の水」を「小田原城址の堀」や「武家屋敷跡界隈」に分水した水道システム「小田原用水」

皆さんも、小田原の「本物の歴史ストーリー」を探して、歴史まちづくりの新たな担い手になってみませんか。

◆第4回まちえん学校「歴史まちづくりシリーズ・第一弾」の教科書は、こちら(PDFファイル8.12M)

◆参考資料「歴史まちづくり法のパンフレット(国土交通省HP)」は、こちら(PDFファイル)

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by machien2 | 2009-07-07 01:18